NASは、ネットワークを通じてデータを保存しておける便利なデバイスです。
データ保存にはHDDやSSDなどのストレージディスクが必要であることは多くのユーザーが知っています。
一方、それらのディスクに書き込まれたデータを保存・管理する仕組み「ファイルシステム」については、あまり知られていません。
この記事では、ファイルシステムの種類やそれぞれの特徴について解説します。
ファイルシステムとは?
パソコンを使用するうえで、データは必ず保存・利用するでしょう。
保存するデータ・ファイルの種類は文書や画像、プログラムなど様々なものがあります。
これらのデータを保存・整理する機能が「ファイルシステム」です。
ファイルシステムはパソコンのストレージにデータを格納し、格納したデータを展開して使用するうえで欠かせません。
パソコンの代表的なファイルシステムには、主に以下のような種類があります。
・FAT16/FAT32
・NTFS
・exFAT
・HFS/HFS+/APFS
それぞれ具体的に見ていきましょう。
FAT16/FAT32
FAT(File Allocation Table)は、マイクロソフトが開発したファイルシステムです。
ディスク内のファイルの位置情報を記録するものです。
原初となるFATは1977年に登場し、それ以降機能が拡張され、FAT12・FAT16・FAT32へ進化しました。
現代のストレージで使用される際には、主にFAT16かFAT32の採用例が多いといえるでしょう。
FATには、ディスク内のセクタ(領域)をクラスタという単位で管理しています。
この特徴から、セクタごとに最大のファイルサイズ・ボリュームサイズの制限があります。
たとえばFAT32では、単一ファイルあたり4GBが上限です。
ファイルサイズの制限は、大きなファイルサイズのデータを扱えない、大容量ディスクでは非効率となってしまうなどの事態が生じる例もあります。
NTFS/ReFS
NTFS(NT File System)は、FATの後に開発されたファイルシステムです。
Windows XP以降のWindowsで使用できます。現在のWindows環境ではNTFSの採用が主流です。
FATよりも高機能かつ堅牢で、圧縮機能・ファイル単位での暗号化機能など、安全性も高められています。
その反面、アクセス速度の点ではFATのほうがNTFSよりも早いという特徴があります。
ReFS(Resilient File System)は、ReFSは、Windowsサーバー向けに開発されたファイルシステムです。
NTFSの後継というわけではありませんが、NTFSでは対応できなかった不具合の解消や機能強化を目指して開発されました。
コピーオンライト(書き込み時割り当て)やチェックサムによるデータ破損防止などの信頼性向上が図られています。
exFAT
exFAT(Extended File Allocation Table)は、2006年にマイクロソフトが開発したファイルシステムです。
開発当初は、USBフラッシュメモリーやSDカードなど、外部フラッシュドライブ向けに採用することを想定されていました。
理論上の最大ファイルサイズの向上、大きなディスクサイズへの対応、高速化など様々な進化を遂げました。
ただし、パソコンなどの「内蔵ハードディスク」には適用できません。
現代では、フラッシュドライブだけではなく、NASなどのストレージデバイスでも使用されるファイルシステムです。
HFS/HFS+/APFS
HFS・HFS+・APFSは、mac OSで採用されるファイルシステムです。
Windowsとmac OSではファイルシステムも異なり、これらのファイルシステムには互換性もありません。
mac OS同士のデバイスでファイルを共有する、移動するなどの用途では問題は生じません。
しかし、たとえば法人間でデータのやりとり・連携を行う場合や、異なるOSのパソコンに接続して共有するストレージデバイスなどでは、これらのファイルシステムは適しない可能性があるでしょう。
なお、FAT16、FAT32、exFATはWindows・mac OSの双方で利用可能です。
NASのファイルシステム
ファイルシステムは、データを扱うデバイスのOSごとにそれぞれ採用されるものが異なります。
Windowsやmac OSのパソコンでは主に上記のファイルシステムが採用されます。
一方、NASではLinuxをベースとしたOSが採用されており、それに合わせたファイルシステムが採用されることがあります。
NASのOSとファイルシステムについて、以下の項目に分けて解説します。
・Linux系:XFS/ext3/ext4
・Windows系:NTFS
それぞれ具体的に見ていきましょう。
Linux系:XFS/ext3/ext4
NAS用OSでは、Linuxをベースとしてメーカーが独自に開発したOSが採用されている例が多くあります。
LinuxベースのOSでは、Linuxで採用されるファイルシステムが採用されるのが一般的です。
デスクトップ・サーバー用途で選定される例が多いLinuxディストリビューションの代表的なファイルシステムに「ext3(third extended file system)」と「ext4(fourth extended file system)」があります。
ext3は長い運用実績があり、システムクラッシュ時のデータ破損を防ぐ「ジャーナリング」をサポートするなど、信頼性の高いファイルシステムです。
ext4は現代のLinuxディストリビューションの多くでデフォルトとして採用されているように、ext3よりも高いパフォーマンス・拡張性を持ち、最大ファイルサイズ・最大ファイルシステムサイズも大きくなったファイルシステムです。
XFSは、ext3、ext4と比較すると大規模なストレージ環境に特化したファイルシステムです。
複数のディスクの読み書きを同時に効率的に行えるアロケーショングループや、マウント状態でのデフラグなどの実行も可能です。
Windows系:NTFS/ReFS
NAS製品の中には、メーカー独自のLinuxベースOSではなく、WindowsOSを採用している製品もあります。
WindowsOSの中でも、ファイルサーバー用OSの「Windows Storage Server」が選定されている例が多いでしょう。
Windows Storage Serverでは、ファイルシステムとしてデスクトップ用OSでも使われているNTFSが主に採用されます。
ユーザーは、Windowsデスクトップと近しい感覚で扱えるでしょう。
また、NTFSのほかReFSを採用している例もあります。
QNAP NASのファイルシステム
QNAP NASでは、QNAPがNAS用に開発したOS(QTS)が使われています。
このOSはLinuxベースであり、ファイルシステムはLinuxベースOSらしく、ext4が採用されています。
ただし、ユーザーの意向により、NTFS、exFATのファイルシステムを採用することもできます。
ただし、exFATの利用にはライセンスが必要です。
参考:
QNAP NAS で exFAT ストレージデバイスを使用するにはどうすればよいですか?なお、エンタープライズ向けとして開発されたOS「QES」は、FreeBSDベースのOSであり、ファイルシステムもZFSが採用されているなどの違いがあります。
また、QTSに対してさらなる堅牢性を追加した「QuTS hero」においても、ZFSファイルシステムが採用されています。
ZFSファイルシステムは、ファイル自己修復や、3台の同時ドライブ故障にも耐えるトリプルパリティなどをサポートしており、高い堅牢性を特徴としています。
用途に合ったファイルシステムを選択しよう
ファイルシステムの選択は、パソコンであってもNASであっても、利用用途によって最適解が異なります。
最大ファイルサイズなどの制限があっても安定性や信頼性を高めたい場合がある一方で、ファイルサイズ制限があると業務利用がしにくい問題も発生するでしょう。
自社で利用するNASの用途に合ったファイルシステムを選定することが重要です。
まとめ
この記事では、データを扱う際に重要となるファイルシステムについて解説しました。
パソコンなどの内蔵HDD・SSDでは、あまり意識することがないファイルシステムですが、外部ストレージやNASを利用する際にはファイルシステムの理解が重要となります。
また、Windowsとmac OSが併存する環境での業務などの場合にも、ファイルシステムの違いを理解しておくことでデータ共有の失敗などを防ぐ効果が期待できるでしょう。
QNAPは台湾のネットワーク機器専業メーカーで、世界28カ国で展開するグローバル企業です。IT機器の専門商社で、QNAPの正規代理店でもあるテックウインドは、豊富なノウハウを基に的確なモデル・構成のご提案をいたします。
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