NASには多くのファイル・データを保存しておくことができます。
しかし、ファイルやデータは保存しておくだけではなく、必要に応じてスムーズにファイルを特定し、閲覧・編集できることが重要です。
この記事では、QNAPのNASに保存されているデータを高速・柔軟に検索できる「Qsirch」の機能と、Qsirchが電子帳簿保存法改正への対応にどのように役立つかについて解説します。
Qsirchとは?
NASの基本的な用途は、ネットワーク越しにファイルを保存しておくことです。
しかし、保存するファイルが多くなれば、それだけ目的のファイルを見つけることは難しくなります。
Qsirchは、QNAP NAS専用に設計された全文検索エンジンで、NAS内に保存されたファイルを高速に検索する機能を提供しています。
Qsirchの特徴とメリット
NASを含め、ストレージ内のファイルを検索する機能は、さまざまなアプリやサービスでも提供されています。
また、WindowsなどのOSの標準機能としても検索機能が搭載されています。
しかし、あえて標準の検索機能ではなくQsirchというサービスがあることは、Qsirchに標準の検索機能よりも優れた点があるといえるでしょう。
Qsirchがどのような特徴やメリットを持っているかについて、以下のポイントに分けて解説します。
・高速・漏れなく見つけるファイル検索機能
・人物・色・場所など直感的な画像検索
・画像内の文字を即座に検索・抽出
それぞれ具体的に見ていきましょう。
高速・漏れなく見つけるファイル検索機能
大量のファイルを保存しているNASやストレージ内から目的のファイルを見つけることは容易ではありません。
フォルダー階層による分類である程度の整理はできるものの、ひとつのフォルダーに対して大量のファイルが保存されているケースや、中にはZIP形式などに圧縮されているケースもあります。
検索サービスによっては、ファイル名での検索でヒットしないケースや、検索に非常に長い時間がかかることもあります。
Qsirchは大量にデータがあるNAS内の検索も高速にこなすことができ、ZIP形式などで圧縮されているファイルの内容までも含めて検索できるため、高速かつ漏れなくファイルを検索し、目的のデータを見つけることが可能です。
人物・色・場所など直感的な画像検索
企業の業務で使うデータの中には、画像も含まれます。
写真やイラストなどを大量に保存して素材として利用している企業にとっては、必要となる素材を迅速に検索できることが重要です。
しかし多くの簡易的な検索機能では、ファイル名などでの検索が中心であり、必ずしも利用する際に利便性が高いとはいえません。
Qsirchでは「QuMagie Core AIエンジン」の搭載により、画像検索の被写体を識別して検索させることが可能です。
また被写体のみならず、カラーフィルターで写真の色に注目した検索、地図を使用して特定のエリアや地点で撮影された写真だけを検索するといった使い方もできます。
画像内の文字を即座に検索・抽出
紙で印刷された資料やドキュメントを、スキャナーで画像やPDFファイルとして保存することは、広く企業で行われている作業です。
しかし、基本的なスキャンの機能では、画像はあくまで画像として処理され、画像内にどのようなテキストが記載されているかについては情報として保存されないケースもあります。
これに対応するために生み出されたのがOCRという機能です。
OCR機能は、ファイルを開いた際にある程度のテキストを画像から抽出することができるという意味で利便性の高い機能ですが、ファイル検索の際にOCR機能が活躍するケースは多くありませんでした。
Qsirchに搭載されている「Smart AI OCR」は、画像内の文字を検出してキャプチャーすることによって、紙に印刷された文字だけでなく、手書きの文字や運転免許証・パスポートなどの証明書類に記載されている文字まで検出・認識が可能です。
言語は英語、繁体・簡体中国語、日本語、韓国語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、ギリシャ語の11言語に対応しており、グローバルなビジネスにおいても役立てることができます。
大量の画像やファイルがビジネスを停止させる理由
NASを使い始めたばかりでまだあまりファイルを保存していないという企業や、情報を記録する媒体に紙が多く採用されている企業では、ファイル検索の必要性に疑問を持つケースもあるかもしれません。
しかし、昨今のビジネスはペーパーレス、すなわち紙による情報の記録や伝達をできるだけ避け、デジタルデータによる情報の受け渡しが重視される時代となっています。
デジタルデータで扱う情報が多くなればなるほど、どの情報がどこにあるのか、どのファイルに何が記載されているのかをスムーズに特定できることがビジネスにとって不可欠となるでしょう。
大量の画像やファイルがビジネスを停止させてしまう理由について、以下のポイントに分けて解説します。
・目的のファイルを検索する時間は大幅なロスとなる
・ファイル名の検索は使い勝手を損なうケースもある
・文書が「画像」として保存されていると検索できない
それぞれ具体的に見ていきましょう。
目的のファイルを検索する時間は大幅なロスとなる
社内の情報をデジタルデータではなく紙で保存しているというケースでは、年々増えていく書類が書棚を圧迫していくという状況に直面することがあるでしょう。
どのバインダーがいつのもので、何が綴じられているかということをひとつひとつ開けて中身を確認しなければなりません。
デジタルデータの場合にも、ただファイルを保存して蓄積させていくだけでは、紙と同じ状況に陥ります。
特に、企業としての活動が長くなればなるほど、社内の情報は蓄積されていくため、それに伴って目的のデータを大量の保存データの中から見つけ出さなければならないのです。
このような時間を要することは、ビジネスにおいてはコストの増大を意味し、場合によっては目的のデータが見つかるまでビジネスが停止してしまうことも意味しています。
業務マニュアルやシステム操作手順などが典型的な例ですが、ほかにも経理書類や会計書類、勤怠情報に関わるデータ、制作業務に関わる素材データが見つからないという状況は、より直接的に企業のビジネスを停滞させてしまいます。
ファイル名の検索は使い勝手を損なうケースもある
NASやストレージからデータを検索する際に、OS標準の検索機能を使う場合は、基本的にファイル名での検索を行うことになります。
もちろん、ファイル作成時点で後から検索するときのことを考え、わかりやすいタイトルをつけるというのは運用上好ましいことです。
しかしこれを実現するために、過去の膨大なデータをリネームしなければならないというのは、それだけで膨大な作業量となります。
また、ファイル命名の規則を作らなければ、同じ目的のファイルであるにも関わらず検索にヒットしないなど、使い勝手を損ねる可能性も認識する必要があるでしょう。
文書が「画像」として保存されていると検索できない
先のOCRについての記載と同様の問題が、ファイル名での検索でも発生する可能性があります。
紙文書をデジタルデータ化した際にOCR処理を施さず「画像」として保存していると、たとえファイル内本文に書かれている内容を検索したくても、画像にはテキストデータが含まれていないため検索ができません。
そうすると、ファイルを開かずに見分けられるポイントはファイル名のみとなってしまい、使い勝手を大幅に損なう結果となってしまいます。
紙のバインダーを探し回ることはなくなりますが、今度はNAS内やストレージ内のデジタルデータをひとつひとつ開いて内容を目視で確認し、目的のデータを発見しなければならないのです。
事業者が直面する「ファイル管理」の重要性
事業者が、業務に関するデータやファイルを管理することは、ペーパーレス化による紙コストの削減や、データの保管場所を節約することなどから有効であるとされてきました。
しかし近年ではそれだけではなく、デジタルデータを業務に活用することを求められるビジネス環境や、そうした機能を利用する際に必要となる機能にも変化が訪れています。
現代や将来の事業者が直面する「ファイル管理」の重要性について、以下の項目に分けて解説します。
・電子帳簿保存法がスタート
・紙文書のデータ化をスタートさせることによりデータ量が増大
・膨大なファイルから目的のデータを検索する機能が必要
・Qsirchの機能は電子帳簿保存法対応に強い味方に
・Qsirchを電子帳簿保存法対応に活用した事例
それぞれ具体的に見ていきましょう。
電子帳簿保存法がスタート
電子帳簿保存法とは、決算関係・各種帳簿などの帳簿・書類をデジタルデータで保存することを認めた法律です。
2022年1月の電子帳簿保存法の改正により、電子取引で扱ったデジタルデータは、紙に出力(印刷)した保存ができなくなりました。
この措置は、2023年12月末まで猶予期間がありましたが、猶予期間終了後は改正法の規定に従う必要があります。
紙文書のデータ化をスタートさせることによりデータ量が増大
電子メールでの取引、インターネット取引などの電子取引に関する書類はデータで保管することになった電子帳簿保存法ですが、一部「紙で発行されたものをデータ化する必要がある」という性質の書類もあります。
国税関係書類として、領収書や請求書、発注書などの取引関係書類のうち、自ら作成した書類の写し、相手から受け取った書類などは、スキャナーによる保存の対象となります。
スキャンしてデジタルデータ化した書類を蓄積していくことで、取引や支払いのたびにデータ量が増加していくでしょう。
また、データ化した書類は単に保存しておくだけではなく、会計・決算の際や税務関係機関の求めに応じて適切に閲覧できるように整備しておく必要があります。
膨大なファイルから目的のデータを検索する機能が必要
日常的に発注・受注などの取引を行う企業においては、契約書や仕様書など取引に必須となる書類の量も膨大です。
日々作成されるこうしたデジタルデータの中から、求めるデータをすぐに閲覧できるように整備することがビジネスを円滑に進めていくために必須であることは、先に解説したとおりです。
とはいえ、データの保存場所や各契約書にどのような記載があったかなどを、人の記憶やメモに頼るのは限界があります。
そこで、膨大なファイルの中から目的のデータを検索して抽出する機能が必要となるのです。
Qsirchの機能は電子帳簿保存法対応に強い味方に
Qsirchの機能については、高速で柔軟な検索機能があるほか、人物、場所など直感的な画像検索、AIにより強化されたOCR機能など、電子帳簿保存法の改正に対応するうえで心強い機能があります。
データの検索機能にこれまでそれほど重きを置いてこなかったという企業こそ、Qsirchの機能を最大限活用することで自社の必要なデータをNASから迅速に発見・活用できるでしょう。
Qsirchを電子帳簿保存法対応に活用した事例
Qsirchは、実際に電子帳簿保存法対応に活用された事例があります。
2001年に創業した有限会社足柄リハビリテーションサービスでは、QNAP製NASを導入して帳票をはじめとした業務に関わる書類を保存しています。
そして、QsirchのOCR機能を使って保存した帳票から請求金額・項目名などで全文検索し、帳票の特定などに活用しています。
ファイル名に規則を設けるという運用面での対応が必要ないほどに、Qsirchの機能によって円滑なファイル検索を行うことができ、パソコンに詳しくない職員も活用できているとの実態があります。
まとめ
この記事では、書類をデジタルデータで扱う機会が多くなる電子帳簿保存法の改正と、改正法への対応に役立てられるQsirchの機能について解説しました。
QNAPのNASはファイル・データを保存しておく場所としても役立ちますが、Qsirchと組み合わせることで、保存したデータを迅速・円滑に活用できるソリューションです。
電子帳簿保存法への対応を進めている企業・担当者の方は、QNAPのNASとQsirchの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
QNAPは台湾のネットワーク機器専業メーカーで、世界28カ国で展開するグローバル企業です。IT機器の専門商社で、QNAPの正規代理店でもあるテックウインドは、豊富なノウハウを基に的確なモデル・構成のご提案をいたします。
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