データのデジタル化が推進され、ビジネスでは重要な資産となるデータをどのように保存し、活用するかという問題に焦点が当てられています。
その中でNASは、コスト・設定などの面であらゆる規模の事業に取り入れやすいストレージデバイスとして導入されるようになりました。そこで本記事では、NASを活用した企業の取り組み事例や成功事例を紹介します。
法人向けNAS選びのポイント
NASは、ネットワークを介してデータの保存や読み書きができる記憶装置です。ハードデバイスとして手元で管理でき、比較的安価で設定も容易なため、導入のハードルが低いのが特徴です。
ではNASを導入する場合、どのようなポイントに注意するべきでしょうか。
まず、NASを選ぶポイントとして抑えておきたいのが使用人数です。NASには「同時に使用できる人数」の目安が表示されており、数人程度から100人規模のものまで様々です。数が多いほど高性能になり価格が高くなるため、想定人数を割り出して選びましょう。
また選ぶ目安として重要になるのが、NASのデータ容量です。新規でNASを導入する場合、データ容量は現時点で想定されるデータ量の2~3倍が目安とされています。
法人の場合、バックアップがとれるよう複数台のハードディスク(HDD)を搭載しているモデルを選び、1台が故障してもデータ復旧が可能な体制を構築するのが一般的です。
オフィスでの使い方
オフィスで使用するデータの種類や活用は業種によって様々ですが、主に社内データの管理見直しやリモート対応などに活用されています。
ある企業では、電子帳簿保存法改正で電子取引データの保存義務が施行されたことに伴い、これまで部署の担当者ごとに管理されてきた業務データの管理を連携し一元化するためにNASを導入しました。
社内データには集計データ、経理データ、画像など様々な種類があり、担当者が不在になるとデータを引き出せないなどの問題を抱えていましたが、NASによって必要なときにデータにアクセスできるようになりました。
またクラウドサービスと連携したバックアップ体制も構築し、人的ミスによるデータの消失やウイルス被害からのデータ復元にも対応しています。
さらに、NASにはリモート設定も可能になるため、外出先やテレワーク、複数店舗を構える拠点間のデータ共有も行えるようになりました。スマホやタブレットからのアクセス、管理を行う体制も検討中です。
医療機関のデータ管理もNASで
医療業界は、マイナンバーなどを活用しICT化が急速に進められている業界です。クラウドベースの電子カルテ、予約・決済システム、監視システム、勤怠管理などのほか、医療機関によってはオンライン診療、来院者用Wi-Fiの提供など様々なインフラ整備を行っています。
また保険証のオンライン資格確認端末の導入が義務づけられる見通しを受け、大容量のHDDを確保する必要があることから、ある医療機関ではNASを導入し医療データの管理を行っています。
これにより手入力によるミスの軽減、過誤請求などを防ぐことができ、適正な保険請求を効率的に行えるようになりました。さらに、保険証の未提出による医療費未回収などのリスク防止にもつながっています。
そして、医師がクリニックだけでなくほかの医療機関や大学の研究所での仕事を兼務している場合でも、リモートで医療データや研究データをNASで共有しています。PCにデータを残さない安全な仕組みを構築しているため、情報漏えいの防止にもつながっています。
建設・不動産業でのNAS活用
建設業・不動産業では顧客情報や住宅情報履歴をはじめ、図面、施工のビフォー・アフターなど様々な画像を保存します。近年は画像も解像度が高く、図面のデータも複雑なものが多くなっているため大容量のファイルサーバーを求めるケースが多くなっています。
また建設業などで扱う現場によっては、調査や計測、分析作業なども必要です。
ある不動産会社では、不動産売買仲介、リフォームを手がけ複数拠点で展開しており、はじめは本社・各営業所がそれぞれにNASを設置してデータを保存していましたが、データやファイルが分散されてしまい管理が難しくなったため、NASを導入しました。
本社にNASをおき、VPN接続で各営業所がデータアクセスできる仕組みを作りました。
それにより各営業所で保管していた資料や社内イベントの写真なども一元管理できるようになり、各店舗からの問い合わせなどの対応もスムーズになっています。またクラウドサービスとの併用でデータのバックアップを行い、万が一に備える体制を整えました。
ほかにも、社員研修用の動画作成なども行うようになり、その保管先としてNASを活用しています。
まとめ
NASはほかにも様々な業種で活用されていますが、データ共有や保存以外にも、企業の課題を明確にしておきましょう。その上でストレージ容量やメモリ、利用人数、予算などを組みます。
また、故障などによるデータ消失に備えてRAIDシステムの導入も視野に入れて選ぶのもよいでしょう。さらにメーカーのサポートの早さ、補償など運用しやすい体制であるかも確認してください。
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