現代ではあらゆる分野においてデジタル化が推進されています。デジタル化の推進は業務の効率化などのメリットがある反面、個人情報の漏えいや盗難、サイバー攻撃などが発生するリスクがあることから、情報セキュリティが重要視されています。
ネットワークを介してID・パスワードによる認証を経てデータにアクセスするNASにおいても例外ではありません。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の調査でも、IDやパスワード認証を突破された事例が報告されていることを踏まえると、NASのID・パスワード認証が危険にさらされる可能性は高いと言えます。
参考:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「コンピュータウイルス・不正アクセスの届出事例」
https://www.ipa.go.jp/近年はより強固なセキュリティ対策として、2段階認証を用いるケースが増えています。この記事では、2段階認証の種類や利用するメリット、NASでの2段階認証の設定方法を紹介します。
2段階認証とは
そもそも「認証」の要素には大きく分けて3つの種類があります。「知識要素」「所有要素」「生体要素」の3種類です。
一般的にログインの際に用いられるIDやパスワードは、このうち「知識要素」にあたります。
「所有要素」は、本人のみが持っている媒体やデバイスを用いて認証する要素です。例として、スマートフォンのSMS、物理ICカードなどが挙げられます。
「生体要素」は、顔認証や指紋・声紋・静脈・虹彩パターンなど、身体の要素を使って認証を行う方法です。
これらの3要素のうち、「異なる要素を組み合わせて認証するもの」を「2要素認証」といい、「要素の違いに関わらず2段階で認証するもの」を「2段階認証」といいます。
2要素認証・2段階認証は、どちらもパスワード以外の情報を使って認証する方法であることは同じですが、知識要素よりも本人以外が知り得ない・入力し得ないと想定される所有要素や生体要素を取り入れた認証のほうがセキュリティは高くなります。
2段階認証において、どちらも知識要素を認証情報として使う場合には、より認証を強化するため知識要素を「確認用パスワード」や「PINコード」、「第2パスワード」など複数の知識要素を設定する事例も多くみられます。
2段階認証設定するメリット
2段階認証を設定する大きなメリットは、セキュリティを強固にできることです。あらゆるデータがデジタル化している現代では、そのデータを悪用しようとする事例も増えてきています。
警察庁によると、2023年のサイバー空間におけるぜい弱性探索行為等とみられるアクセス件数は、1日・1IPアドレス当たり8,219件と報告しています。
参考:警察庁「令和5年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」
https://www.npa.go.jp/特に企業で用いられるHDDやNASは、その企業だけでなく取引先や金融機関などの情報に関わる重要なファイルやデータを保存する場所であるため、攻撃者にとって魅力的な攻撃対象となります。パスワードのみなど認証作業が単純であるほどアカウントが不正取得されたり、データの流出や漏えいなどが発生したりする確率は高くなります。
認証を2段階にして複数のパターン・要素にすることで、セキュリティインシデントの抑制につながります。保存されているデータの安全性を高めつつNASを活用するためにも、NASの2段階認証を設定しておきましょう。
設定方法は
それでは、NASの2段階認証の設定について説明していきます。
まずはNASのWebブラウザにアクセスして、設定済みのパスワードでログインします。NASの画面からオプションを選択し「2段階認証」、「使用開始」をクリックしましょう。
次に、スマートフォンに2段階認証を使用するためのアプリをインストールします。使用するアプリはさまざまなものがありますが、Google Authenticator、Microsoft Authenticatorなどが一般的です。
認証アプリを起動して「+」をタップし、アカウントの追加を行いましょう。ブラウザ上のNAS画面に表示されている2次元コードをスマートフォンで読み取ります。手動で文字を入力することもできます。
この設定が完了すると、次回からNASにログインするときは、2段階認証が求められます。スマートフォンアプリに追加した認証アプリのアカウントに表示されている、6桁のセキュリティコードを入力しましょう。
2段階認証では、スマートフォンが使えない場合に使用できるよう、秘密の質問やメールでのワンタイムパスワードを求める設定を行うことも可能です。
まとめ
セキュリティを高めるうえで2段階認証は重要ですが、2段階認証以前の問題として、パスワードの設定にも注意しましょう。
パスワードの文字列は担当者の氏名や企業名など、容易に突破され得る文字列は避ける必要があります。パスワードの使い回しもセキュリティリスクを高める行動です。これらについては、社内でガイドラインなどを作成し、IDやパスワードを活用するすべての社員に用途や重要性を認識してもらいましょう。
2段階認証を導入しても情報の安全性には細心の注意を要します。スマートフォンを利用した2段階認証を行う場合は、コードを第三者に盗み見られないように留意してください。
コードを受け取れるアプリをインストールしたスマートフォン本体の紛失や盗難が発生すると、2段階認証は無意味となってしまいます。デバイスの管理にも最大限注意することが重要です。
近年は、リモートワークも増加し外出先や自宅などでNASにアクセスするケースもあるでしょう。
会社を離れるとセキュリティに関する意識が薄れてしまう事例も数多くあり、パスワードや認証コードを盗み見られてしまったり、デバイスを置き忘れてしまったりすると、重大なセキュリティインシデントとなる危険性があります。
2段階認証の導入を含め、NASのセキュリティ対策に対する意識を高めていきましょう。
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