事業のデジタル化が進み、社内データを安全に保管する重要性も高まっています。大企業ではデータ管理体制が整えられているところが多いものの、企業規模にかかわらず取り組むべき課題です。
近年、NASを活用したデータ管理方法が注目されていますが、導入前にセキュリティの重要性について改めて理解しておく必要があるでしょう。そこで本記事では、データ管理に発生しがちな問題とデータ管理の基本概念などについて紹介します。
中小企業で起こりがちなデータ管理の問題
データ管理とは、企業データの処理・保存・保護をすることです。データは重要な資産であり、ビジネスの成長や方向性を決定づける戦略となり得ますが、管理方法を間違えると企業の存続に係わる大きな損失につながることも考えられます。
企業の保有する顧客などの個人情報や機密情報が外部に漏れてしまう、消失してしまうという事件は後を絶ちません。
2022年6月にも、あるCtoCマーケットプレイスがサイバー攻撃を受けたと発表しました。データベースシステムを不正に操作し、顧客情報と金融機関情報が流出した可能性があるとしています。
また同年8月には、ある病院が電子カルテ用端末の修理依頼を出した後に所在不明となり、情報流出の可能性を発表しました。
攻撃は外部からだけではなく、内部からも発生します。2018年には、ある企業で従業員がPCを分解しハードディスクを抜き取って社員情報を取得、またある企業では顧客のクレジットカード情報を搾取して不正利用をした事実も明らかになっています。
さらに、意図せずシステムを誤って設定してしまい、情報が流出してしまったケースや、取引企業へ知らずにウイルスに感染したメールを送信して加害者となってしまうケースなどもあります。
このような事態に備えて対策を立てておかないと、業務システムの停止だけでなく、被害の補償、お詫び金の捻出しなければならないだけでなく、取引企業や顧客に対する信頼の失墜、ブランドイメージの低下などを招く結果になりかねません。企業に対するイメージの回復には、長期的な事業戦略や投資が必要です。
これらを防ぐには、情報の消失・漏えい・不正アクセスへの対策を取り、厳重なデータ管理体制を整えておく必要があります。
データの管理方法の基本
データを厳重に管理するためには、万が一に備えてデータを復旧できるようにバックアップを取っておくことが大切です。
セキュリティ対策に高額な予算を投じることができない場合でも、バックアップを取っておくことで人的ミスによるデータの消失、不正アクセスによる改ざん、ウイルス感染などが発生しても、それ以前の状態に戻すことが可能です。
トラブルが発生してから復旧しようとしても、バックアップを取っていなければデータ復旧業者に依頼することになり、時間もコストもかかるうえその間の業務停滞による損失も大きなものになる可能性があるでしょう。
バックアップの方法は主に外付けハードディスク、NAS、RAIDシステム、クラウドストレージサービスなどがあり、特定のデータをバックアップするのか、またはすべて行うのか、毎日行う、1週間ごとに行うなど内容や頻度などを確認しておく必要があります。
また、もしもの時に備えてデータ復旧業者と連絡が取れるようにしておくことも大切です。業者を選ぶ際は、ネットワーク機器やデータを預けるため必ず信頼性の高いところを選びましょう。
NASでのデータ管理をおすすめする理由
ネットワーク機器だけでなく、USBや紙資料なども厳重に保管できていなければ情報の搾取は容易になってしまいます。それらを集約して効率的にデータを共有・保管できるのがNASです。
NASのフォルダに保存することですぐに共有・整理・保存ができるため探す手間などが省けるほか、限られた保存容量を最大限に活用できること、ストレージの増量などにも柔軟に対応しています。
注意したいのが、容量の少ない小型NASを使って台数を増やしていくやり方です。法人の場合、NASの台数が増えるとデータの全体管理が困難になり、セキュリティリスクが高まります。
そのためエンタープライズストレージのNASなどを利用する方法もあります。容量も大きくデータを特定の時点に復旧できるスナップショット機能などが含まれており、運用しやすくなるでしょう。
ただし導入費用は高くなります。どのくらいのデータ容量が必要なのか、どのくらいデータが増えるのかを試算し、適切なNASを選ぶことが大切です。
まとめ
警視庁によると、東京都内のサイバー犯罪の検挙件数は1,719件で前年比150件増加、インターネットバンキングに係わる不正送金事犯は1,111件で前年比561件の増加と発表しています。
また、令和4年にランサムウェア被害に遭った企業を全国規模で調査したところ、大企業27%、団体20%、そして中小企業が53%と半数以上です。
参考)警視庁「令和4年におけるサイバー空間をめぐる脅威の醸成について」
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/狙われるのは大企業だけではないことを十分に認識し、適切なデータ管理・活用を行いましょう。
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