テレワークなど遠隔で社外の端末からNASに接続する場合は、VPN接続が必要です。VPNは、重要なデータが格納されているNASに簡単かつ安全に構築できる仮想ネットワークですが、設定が少し難しくなっています。
設定の前に、VPNとは何か、なぜ必要なのかよく認識していない方もいるのではないでしょうか。本記事ではセキュリティへの意識を高めるため、VPN接続の意味や意義、NASへの接続方法などについて解説していきます。
VPNとは
VPNとは「Virtual Private Network(仮想専用回線)」という意味で、「仮想プライベートネットワーク」と呼ばれることもあります。
VPNは社外のPCやスマホなどの端末からNASに接続する際、インターネット上に仮想的なプライベートネットワークを構築してデータを暗号化し、保護された状態でNASからデータの読み書きができるようにする仕組みです。
分かりやすくするため、たとえば手元の端末とNASをつなぐネットワークをトンネルと考えてみましょう。トンネルの間には、VPNサーバーと呼ばれる設備があります。
端末からのアクセスを受けてNASからデータが流れてきますが、いったんVPNサーバーに届いて設備の中でデータを鍵付きの金庫に入れ(暗号化)、再びトンネルに戻してユーザーの端末まで運ばれます。
その間、万が一誰かがトンネルに近づけたとしても、金庫に保管されてしまっているためデータを覗くことはできません。データにアクセスしたユーザーは、あらかじめ受け渡された鍵で金庫を開け、オフィスと同じようにデータが見られるようになっています。
この鍵は、正しい相手と認識しない限り開けることができないため安全といわれており、この方法を利用するためにはNASのVPN接続を設定する必要がありますが、難易度が高いとされている方法です。
VPNの設定方法
難易度が高いとしても、データを保護するためにも重要な作業なので怠らないようにしましょう。
NASのVPN設定は、メーカーや機種によって方法や手順が異なる場合があるため、必ずメーカーの説明に従ってください。ここでは、QNAPのNASを使って設定を行ってみましょう。
QNAPのNASの場合は「QVPN Service」というアプリを使います。アプリをインストールしてサービスを有効化します。
アプリのユーザーインターフェースには「QBelt」「L2TP/IPSec」「OpenVPN」「PPTP」の4つのプロトコルが存在します。
それぞれ安全性の違いやサポートが異なるためどれを使用するかは職場によって異なりますが、テレワークの場合はPCやスマホなどほとんどの端末をサポートできる「L2TP/IPSec」を使用するのも一つの目安です。
次に設定を行います。ユーザーID、パスワード、事前共有キー、認証方法の設定、クライアントの最大数なども必要です。共有キーは、NASとクライアント(ユーザー)に共通する文字列を指定しておきます。
クライアント数は、接続数が多くなるとNASに負荷がかかり回線やNASのスペックによっては通信速度が遅くなる、動きが悪くなるなど不具合が生じる可能性があるため、標準の5台としておきます。
その上で、権限の設定を行います。「L2TP/IPSec」では、ルーターのポートフォーワードのクライアント接続設定が必要で、1701、500、4500の各ポートを利用します。IPアドレスにポート番号を指定して転送するように設定しておきます。
Windows10から接続する場合は、レジストリの設定を行った上で「設定」「ネットワークとインターネット」を選択し、「VPN」から接続を作成します。サーバー名(またはアドレス)、事前共有キー、パスワードなどを入力して接続しましょう。
「アダプターのオプションを変更する」からVPN接続を右クリックでプロパティを表示させ、セキュリティ設定の変更を次のように有効化します。
・次のプロトコルを許可する
・チャレンジ ハンドシェイク認証プロトコル
・Microsoft CHAP Version 2
これらの設定後、VPN接続から実行をクリックすればNASへVPN接続できるようになります。
QNAPのNASは、個別にVPN接続の利用権限を設定できるのが特徴です。ただし、一度権限を設定するとインターネット接続と同じように簡単にアクセスできてしまうため本当に必要なユーザーのみに与えるようにしましょう。
VPNを使うべき場所
VPNを使うべき場所は、社外すべてと考えてよいでしょう。外出先のフリーWi-Fiは最もウイルスが侵入しやすく、自宅のWi-Fi、中小企業や零細企業などでもセキュリティ対策は万全とはいえません。
自宅のWi-Fiなら安全と考えられがちですが、ネット閲覧などからPC本体がウイルスに感染する可能性もあり、感染してしまったままアクセスするとNASにも侵入できてしまいます。
中小企業・零細企業も家庭用の回線を使っていることが多く、同じ理由で感染のリスクがあるので必ずVPNを使うようにしましょう。
まとめ
VPNを利用する重要さがお分かりいただけたでしょうか。NASに格納されている情報は重要なものも多く、流出することで甚大な被害にあう可能性もあります。ウイルスの侵入に対する危機感を意識して、社内外で正しくNASを利用しましょう。
QNAPは台湾のネットワーク機器専業メーカーで、世界28カ国で展開するグローバル企業です。IT機器の専門商社で、QNAPの正規代理店でもあるテックウインドは、豊富なノウハウを基に的確なモデル・構成のご提案をいたします。
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