現代では、増え続けるデータの適切な取り扱いが大きな課題です。
かつて企業がパソコンを使い始める以前は書類がその課題の対象でした。
現代においては、日々蓄積されるデータを保管し続けることがストレージコストを高めてしまいます。
この記事では、データの管理における「データアーカイブ」の概要や実現するためのソリューションについて解説します。
データアーカイブとは
「データアーカイブ」とは「頻繁には使わないデータを保管しておく」という目的で保存しておく行為を指します。
混同されがちな用語として「バックアップ」「データ圧縮」などが挙げられます。
・データアーカイブの必要性
・バックアップとの違い
・データ圧縮との違い
それぞれ具体的に見ていきましょう。
データアーカイブの必要性
普段使用しないデータであるならば、削除するのが効率的であると考える人もいるかもしれません。
しかしデータアーカイブは「普段使用しないデータ」であっても「不要なデータ」ではありません。
特に企業においては、業務データ、取引データなど、様々なデータが日々蓄積していきます。
より身近な例としては、契約に関わるデータや請求・経理処理に関するデータなども含まれるでしょう。
これらのデータは、日常的に閲覧することはなくても、法令の定めや社内規程に応じて一定の期間保存する必要があります。
ただし、このようなアーカイブデータは日々蓄積されるため、場合によっては企業のストレージコストを圧迫する場合があります。
既存データをそのままの状態で保管し続けると、日々の業務に使うストレージ領域を消費してしまうからです。
このような理由から、データアーカイブにはアーカイブ専用のストレージを用意する方法や、データを圧縮して容量を節約したうえでアーカイブ領域に保管する方法が用いられます。
バックアップとの違い
データアーカイブと混同されやすい概念が「バックアップ」です。
バックアップは、データの喪失に備えて現在保有しているデータのコピーを作成することを指します。
企業・個人を問わず、万が一の事態に備えてバックアップを取得することは重要です。
ただし、バックアップはあくまでデータの複製であり、日々の業務でバックアップデータを使用することは稀です。
一方、データアーカイブは、現在保有しているデータのコピーではなく、保有しているデータのうち、利用頻度は低いものの保存しておく必要があるデータを対象とします。
このようなデータは、日常的に利用しないものの、たとえばコンプライアンス上の理由やデータ規則基準、企業ごとのデータ保存ポリシーなどによって長期保管が必要となる場合があります。
データアーカイブは「使う」前提の保管である点が、バックアップとの最大の違いです。
データ圧縮との違い
データ圧縮は、既存のデータの容量を小さくするために行われる処理として理解されています。
取引先などにファイルを共有する際に圧縮を用いることは日常的に行われるでしょう。
データ圧縮とアーカイブは、厳密には意味が異なりますが、一部重なる概念でもあります。
つまり、データアーカイブは「使用しないデータをアーカイブファイルとして保管しておく」ことを指すのに対して、データ圧縮は「容量を小さくしてファイルを保管する」ことを意味します。
そのため「圧縮アーカイブ」など、データを圧縮したうえでデータアーカイブとして保管することもあります。
代表的なデータアーカイブソリューション
データアーカイブを行ううえでは、ユーザーが手動でデータを圧縮してアーカイブ保存ストレージに移動する場合もあります。
一方、データを蓄積するデータサーバー、ストレージサーバーなどの製品の中には、データアーカイブを効率的に行うソリューションが提供されている場合もあります。
例えば、以下のようなデータアーカイブソリューションがあります。
・Archiware P5 Archive(Archiware)
・HPE StoreOnce
・QNAP Qfiling
それぞれ具体的に見ていきましょう。
Archiware P5 Archive(Archiware)
Archiwareの「P5 Archive」は、WindowsのほかLinux、Mac OS Xなど様々なプラットフォームに対応したアーカイブソフトウェアです。
データの保存において、HDDやSSDに比べて長期保管耐性の高いLTO(テープメディア)へのデータアーカイブ・バックアップが可能なソフトウェアです。
また、アーカイブされるデータのメタデータを抽出することにより、アーカイブデータの検索性も高めています。
HPE StoreOnce
HPEの「StoreOnce」は、単一のソフトウェアではなく、様々なサービス環境に対応するハードウェアを含めたプラットフォームです。
StoreOnceの主要な機能としてはバックアップストレージ・プラットフォームですが、これらのプラットフォーム内にデータアーカイブ・ストレージを含むため、ユーザーはバックアップとアーカイブを適切に使い分けることができます。
QNAP NASでのデータアーカイブ
QNAP NASにおいても、データアーカイブ機能を持つソフトウェアがQTS上で展開されています。
例として「Qfiling」というアプリケーションが代表的です。
QfilingはQNAP NAS内のファイルを効率的に管理するためのソフトウェアです。
アーカイブするデータの判定は企業の用途やファイル管理の方針によって異なるでしょう。
Qfilingは、アーカイブを自動化するわけではなく、保存されているデータを手軽にフィルタリングできる点がアーカイブの助けとなります。
たとえば、フィルタリングの対象となるファイルの更新日時を「今日より以前」や「今年より前」などの時点に設定し、1年以上更新していないファイルをアーカイブするなどの処理が可能です。
このように、保存しているファイルの属性を適切にフィルタリングすることで、データアーカイブの効率は目視で行うよりも圧倒的にスムーズになります。
大量のデータを保管しているNASでのデータアーカイブ処理には、Qfilingをはじめとしたアーカイブソフトウェアの活用を検討するとよいでしょう。
まとめ
この記事では、データアーカイブとその実現方法について解説しました。
企業においては、ファイルサーバーやNASに大量のデータが保存されている状況は多くあります。
また、日々蓄積されているデータのうち、すぐには使わないデータを隔離したいものの目視では不効率なため実現できていない事例も珍しくありません。
データアーカイブを効率的に行いたい、日常使用するデータとアーカイブを一度しっかりと区分けしたいと考えている方は、この記事で解説した内容を参考にデータアーカイブに着手してみてください。
QNAPは台湾のネットワーク機器専業メーカーで、世界28カ国で展開するグローバル企業です。IT機器の専門商社で、QNAPの正規代理店でもあるテックウインドは、豊富なノウハウを基に的確なモデル・構成のご提案をいたします。
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