NAS(Network Attached Storage)は、ネットワーク越しにファイルを保存できる便利なデバイスです。
家庭用でのファイルの共有やバックアップのほか、個人事業主・SOHOなどでのオフィス用途、本格的なビジネス用途など、様々な場面で活用されています。
一方、ユーザーがNASを購入しようと考えた際に頭を悩ませるポイントが、NASの「ベイ数」についてでしょう。
この記事では、NASのベイ数の考え方とそれぞれの特徴について解説します。
NASのベイ数は何に影響するか
NASのベイ数は、搭載可能なHDDやSSDの台数を指します。
この台数によってストレージ容量だけでなく、データの安全性も影響を受けます。
以下に、ベイ数が及ぼす主な影響を4つに分けて説明します。
・HDD搭載台数
・搭載HDDへの負荷
・RAIDの選択肢
・データ損失への備え
それぞれ具体的に見ていきましょう。
HDD搭載台数
NASのベイ数は、HDDまたはSSDを何台搭載できるかを決定します。
1ベイのNASであれば1台のHDD、4ベイであれば最大4台のHDDを設置可能です。
ベイの数が増えるほど、搭載できるHDDが多くなるため、保存できる容量が大きくなることはイメージしやすいでしょう。
例えば、1ベイのNASは1台のHDD分の容量しか利用できませんが、4ベイNASなら複数のHDDを組み合わせて数十TB規模のストレージを構築することも可能です。
大量のデータを扱う場合などでは、ベイ数の多いNASが適しています。
搭載HDDへの負荷
ベイ数は搭載しているHDDの負荷にも影響を及ぼします。
例えば、1ベイNASでは1台のHDDが全てのデータを保存するため、そのHDDに対する負荷が集中します。
一方、複数のベイを持つNASでは、データを複数のHDDに分散して保存するため、1台あたりの書き込み・読み込みにかかる負荷を軽減できます。
データの分散はアクセス速度にも影響を与えるため、複数のユーザーが同時にアクセスする環境でも安定して動作してくれる可能性が高いでしょう。
RAIDの選択肢
NASの大きな特徴は、複数のHDDを組み合わせてRAID構成を利用できることです。
RAIDには、データの冗長性を確保する「RAID 1」や、パフォーマンスと冗長性を両立させる「RAID 5」など、様々な種類があります。
2ベイのNASであればRAID1が構成可能で、4ベイであればさらにRAID5やRAID6などの構成が選択できます。
ベイ数が多ければ、より高度で柔軟なRAID構成が選択できるため、データの冗長性を高めた安全なNAS運用や、安全性とパフォーマンスを両立したNAS運用が実現できるのです。
データ損失への備え
データ保護という観点でも、ベイ数は重要な役割を果たします。
1ベイNASはHDDが1台しかないため、HDDが故障すると保存データが失われるリスクがあります。
一方、2ベイ以上のNASではRAID構成を用いることで、1台のHDDが故障してもデータを復元できる仕組みを構築できます。
例えば、RAID 1では2台のHDDに同じデータを保存するため、1台分のHDDの容量を犠牲にしますが、その代わりに片方のHDDが壊れてもデータの損失を防ぐことができます。
データの安全性を重視する場合は、2ベイ以上のNASが良い選択肢となるでしょう。
NASのベイ数ごとの特徴
ここからは、NASのベイ数ごとの特徴について解説します。
・1ベイNAS
・2ベイNAS
・4ベイNAS
代表的な上記のベイ数のNASについて、具体的に見ていきましょう。
1ベイNAS
1ベイNASは、HDDまたはSSDを1台だけ搭載できるシンプルな構造です。
主に個人ユーザーや、手軽にネットワーク越しにデータの保存・バックアップを行いたい人向けです。
その低価格と簡単なセットアップが魅力ですが、冗長性がないため、HDDが故障するとデータが失われるリスクがあります。
2ベイNAS
2ベイNASは、個人ユーザーや小規模オフィス・SOHOなどで広く利用されるタイプです。
2台のHDDを搭載できるため、RAID 1によるデータ保護が利用できます。
この構成を採用すると、1台のHDDが故障しても、もう1台にデータが残るため、重要なファイルを安全に保管できます。
さらに、RAIDを使用しない場合には、2台分のストレージ容量をフルに活用できるため、柔軟性も高いといえるでしょう。
価格と性能のバランスが良く、初めてNASを導入する場合にも適した選択肢といえるでしょう。
4ベイNAS
4ベイNASは、本格的にNASをストレージサーバーとして使うなどのビジネス環境で選ばれることが多い高性能モデルです。
RAID 1以外の複数のRAID構成を選べるため、大容量ストレージや高いデータ保護性能が求められる場面で力を発揮します。
例えば、RAID 5やRAID 6を構築することで、冗長性・安全性とパフォーマンスを両立できます。
また、ストレージ容量を柔軟に拡張できる点も4ベイNASの大きな特徴です。
1ベイ・2ベイで実現できなかった安全性とパフォーマンスの両立が可能であるのが4ベイNASのため、本格的なNAS運用を検討している場合には、迷わず4ベイNASを選ぶのがよいでしょう。
ベイ数ごとのNASの具体的な利用例
先の項目では、ベイ数ごとの特徴を解説してきましたが、どのベイ数が自分に適しているかわからないケースもあるかもしれません。
以下に、ベイ数ごとの主な利用シーンを表にまとめました。
| ベイ数 | 主な用途 | メリット |
|---|
| 1ベイ | 個人向け・家庭向けバックアップなど | 価格を抑えやすい |
| 2ベイ | 個人事業・SOHO、家庭向けなど | コストパフォーマンスに優れる |
| 4ベイ | 家庭向けから本格ビジネスユースまで | 冗長性とパフォーマンスを両立したRAID構成、充分な保存容量、仮想化など多様な用途に活用できる |
ベイ数ごとのQNAPのおすすめNAS
ここからは、ベイ数ごとのおすすめのQNAP NASをご紹介します。
・1ベイNASのおすすめ:TS-131K
・2ベイNASのおすすめ:TS-216G
・4ベイNASのおすすめ:TS-464
それぞれ具体的に見ていきましょう。
1ベイNASのおすすめ:TS-131K
TS-131K はクアッドコア 1.7 GHz プロセッサを搭載した、1ベイのシンプルなNASです。
極めてコンパクトな筐体は家庭での使用や、個人事業主・SOHOなどの用途に最適で、設置場所を選ばず活用できます。
また、ドライブトレイにロック機能があり、使用中に誤ってHDDが取り外されてしまう事故を防ぐことができます。
2ベイNASのおすすめ:TS-216G
TS-216G は、2ベイの高性能NASです。
ARM クアッドコアプロセッサと4GB RAMを搭載し、低消費電力でありながら強力なマルチタスクを実現してくれます。
また、AIにより保存された画像を認識するNPUを内蔵し、使い勝手も高めています。
家庭での使用はもちろんながら、小規模オフィスでの業務利用にも適したモデルです。
4ベイNASのおすすめ:TS-464
TS-464はプロフェッショナルな用途にも対応する4ベイNASです。
最大66 TBを搭載可能なストレージベイと、最大4TBのM.2 SSD キャッシュに対応しており、コンパクトな筐体からは想像できないほどの強力なパフォーマンスを提供してくれます。
家庭用とするにもまず不足はないと評価できるほどの性能で、中規模のオフィスのファイルサーバーとしても充分に活用の余地があるでしょう。
まとめ
この記事では、NASのベイ数ごとの特徴と選び方について解説しました。
QNAPでは、1ベイ・2ベイ・4ベイなど様々なタイプのNASラインナップを展開しています。
NASのベイ数の選び方は、ユーザー自身の用途に合ったものを選択することが最も重要です。
NASのベイ数をどのように考えればよいか迷った際には、ぜひこの記事で解説した内容を参考にしてみてください。