NASは、ネットワークやコンピューターに詳しい専門家がいなくてもデータ共有や保存などのシステム構築が容易で、比較的低コストであることから導入しやすいという特徴があります。
情報がデジタル化する中で、サイバー攻撃や情報漏えいなどセキュリティインシデントも増加傾向にあり、あらゆるリスクを考慮した対策が求められています。ここでは、NASでのセキュリティ対策とその必要性について紹介します。
セキュリティ対策の必要性
今日、セキュリティ対策は重要な経営課題であり、リスクマネジメントの重要性が指摘されています。
特にマイナンバー制度の施行に伴い、情報を取り扱う事業の社会的責任として各事業所に安全管理義務を求めるなど、法令でもデータ保全への措置はますます厳しいものになっています。
そのために必要となるのが、内部・外部からの不正アクセス防止、人的ミスや災害などからの復元、ウィルス対策です。NASを利用するにあたり、どのようなリスクが想定され、対策を行うべきか導入前に考えておきましょう。
セキュリティ面で起こり得る問題
では、セキュリティ面で起こり得る問題を具体的にあげていきましょう。
まず考えられるのが、情報への不正アクセスです。これには第三者または社員、関係者によるデータの流出、漏えい、改ざんなども含まれます。
堅牢なデータ管理を行わないと、機密情報や個人情報が外部に流出、漏えいし業務の停滞、売上の低下などに影響するほか、顧客や取引先への信用問題に関わりブランドイメージの低下にもつながります。特に個人情報などは、賠償などの支払いが発生する事案もあります。
次に考えられるのが、データの消失です。人的ミスや災害、機器やシステムの不具合、経年劣化による故障など様々なインシデントが考えられますが、こちらも業務の停滞、復旧の遅れによる時間ロス、販売機会の喪失などにつながるため、バックアップや復旧対策などが必要になります。
そして、ウィルスの感染もあります。サイバー攻撃によりデータの破壊・消失が行われるケースや、情報を身の代金に脅迫を行うランサムウェアなどのケースもあります。
警視庁によると、令和4年における東京都内のサイバー犯罪の検挙は1,719件で前年比150件増、身近で多く犯罪が起きていることが分かります。
参考)警視庁「サイバー空間をめぐる脅威の醸成について」
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/NASは、ネットワークを介して複数の端末に接続するため、端末一台が感染してしまうと、NASに接続するほかの端末にも感染が広がってしまいます。もしデータのバックアップが破壊されてしまえば、復元できなくなってしまうためウィルス対策は最重要と考えてもよいでしょう。
NASでのセキュリティ対策
データを保護するためにはウィルス対策ソフトの導入が重要になりますが、ほかにも方法がいくつかあります。主なものを紹介するので、NASを導入する前に検討しておきましょう。
アクセス制限
まず不正アクセスを防ぐため、NASを利用するユーザーまたはグループの登録、また共有するフォルダーへのアクセス制限などを設定します。またIPアドレスやログイン試行回数の制限などを設けることも可能です。
管理者は、強固なパスワードの設定、定期的な変更などパスワード管理を行うようにしましょう。NASへのアクセス許可のポートを限定するファイアウォール設定も不正アクセスの低減につながります。
復旧対策
NASがシステム障がいや故障、または自然災害などのリスクからデータを守るためには、データのバックアップ機能を活用しましょう。
バックアップ手段は外付けHDD、USB、またもう一台のNASを活用して保存する方法がありますが、近年はクラウドストレージサービスをバックアップ手段として活用する企業も増加傾向にあります。
ただし、クラウドは月額料金がかかるため、NASとの併用を考える場合は予算を考慮して選びましょう。
証拠保全データ
証拠保全は、セキュリティインシデントが発生した場合の調査・証拠として活用するデータのことです。NASの場合は「アクセスログ」を記録する機能が搭載されているものも多く、データの不正取得の原因を突き止めるのに役立つほか、不正アクセスの抑止力としても活用できます。
まとめ
セキュリティ対策は、システムのみに頼るのではなく、社員や関係者へリスクマネジメントへの教育を行うことも重要です。
総務省でも「国民のための情報セキュリティサイト」を設けており、企業や組織の対策として経営者・情報システム担当者・一般社員に向けたインターネットの利用とそれぞれの役割について解説しているので参考にしてください。
参考)総務省「国民のための情報セキュリティサイト」
https://www.soumu.go.jp/あらゆるビジネスの現場で、社員ひとり一人が高い意識を持ってデータを取り扱うようにしていきましょう。
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